「記念の品だからキレイな箱に入れて渡したい」
「中身の良さをより引き出せる箱はないだろうか?」
誰かにプレゼントするとき、何をプレゼントするかも大切ですが「どのようなタイプの箱に入れてプレゼントするか?」ということも大切です。
この記事ではオリジナルパッケージの作り方やパッケージの制作事例を解説します。プレゼントにぴったりなパッケージ(箱)を注文したいと考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
箱の外側の包装や袋も大切な要素ですが、この記事ではパッケージ(箱)に特化した記事となっております。
オリジナルパッケージのお菓子はどんな時に使う?
お菓子をオリジナルパッケージに入れるのは、どのような時でしょうか?
きっと誕生日や母の日や父の日、バレンタインデー・ホワイトデーなど特別なイベントの時ではないでしょうか?
お菓子を入れるためにはどんなパッケージがある?
大切なプレゼントを入れるパッケージには次のようなものがあります。
・折り箱
・貼り箱
折り箱
折り箱とは一枚の紙を折って組み立てる箱です。そのため、箱を展開すると一枚の紙(を型抜きしたもの)に戻ります。
組み立てにはホッチキスなどの締結部品は使わないため、自ら組み立てるという対応も可能です。
制作コストは後述の貼り箱に比べると安いですが、抜き型の制作費が加工費とは別に必要です。しかし、製作数が多くなればなるほど折り箱一つあたりの抜き型の単価は下がります。
貼り箱
ベースとなる板紙の上に化粧紙を貼り付けた箱であり、デザイン性が高いだけでなく強度も高いため、パッケージそのものに高級感があります。
組み立ては工場で手作業にて行うため、自ら組み立てることはできません。
制作コストは折り箱より高い傾向にありますが、中身のお菓子が高級な場合は箱にも高級感が必要になります。比較的高価なお菓子のパッケージを作る時は貼り箱がおすすめです。
パッケージにはどうやって印刷するの?
従来はオフセット印刷やフレキソ印刷、それにグラビア印刷が主流でした。しかし、これらは版が必要なため多品種少量生産には向いていません。
そこで登場したのがデジタル印刷です。デジタル印刷ではPC上で検討したデザインをそのまま印刷機に入稿できるため、版が必要なく多品種少量生産に利用できます。
オリジナルのパッケージ印刷も多品種少量生産になるため、デジタル印刷がよいでしょう。
デジタル印刷には他にもメリットがあります。
版を必要としないため、製版(版を作る工程)がありません。そのため、短納期低コストで印刷できるのです。ただ、印刷の品質はオフセット印刷の方が高い傾向にあります。とはいえ、近年のデジタル印刷は色の鮮やかさが向上してきており、中にはオフセット印刷に匹敵するくらいの印刷品質を誇るデジタル印刷もあります。
多品種少量生産、鮮度の高い印刷品質という点で、お菓子のオリジナルパッケージの印刷にはデジタル印刷がよいでしょう。
パッケージと中身が決まったらデザインを作る
パッケージと中身と中身が決まったらデザインを考えましょう。
ただし、デザインを考える前にも工程があります。
中身に合わせて仕様を決める
折り箱か貼り箱かを決めるだけでは不十分です。中に入れる商品の重量、形、サイズに合わせて箱の大きさや形を決めましょう。
箱の形は直方体であることが多いですが、その他の形にしたい場合にはデザインを考える前に印刷業者に相談した方がいいかもしれません。打ち合わせの場に実際の商品を持っていった方が印刷業者に要望が伝わりやすいのでいいでしょう。
箱の仕様が決まったら、印刷業者が実際に切り抜く形(角の差し込みなど)をCADで設計します。デザインは切り抜く形のCADデータをベースに行うことになります。
デザインは相談しながら進める
切り抜く形が決まれば、パッケージのデザインを決めていきます。デザイン案がありillustrator(デザイン用ソフト)を使える場合には自らデザインできます。しかし、デザイン案があってもillustratorが使えなかったり、コンセプトはあってもデザインができない方もいるでしょう。
そのような場合は、印刷業者にデザインから依頼することも可能なことがあります。
印刷業者が入稿用のデザインデータを作成する場合は、別途費用が必要になることがあります。
他の詳細仕様を決める
パッケージには印刷だけでは表現できない加工があります。
一つ目に紹介するのは窓抜きです。
窓抜きをするとパッケージの一部が切り取られ、中身が見えるようになります。中に入っているお菓子を見せたい場合は窓抜きをするのが良いでしょう。また、「材料は紙だけ」のようなこだわりがない場合は抜いた窓に透明なフィルムを貼ることもできます。
二つ目に紹介するのは箔押しです。
文字やロゴの形に表面を凹ませて、そこに金や銀などの箔をつけるのが箔押しです。箱のベースの色に比べて華やかさがあるため、高級感を出したい時に適しています。
ただし、デザインが細かいと箔押し出来ないことがあるため、事前に印刷業者に加工可能か確認することが大切です。また、箔押しすると別途費用がかかるため注意が必要です。
三つ目に紹介するのは型押しです。
立体感はほしいけど、箔押しのような高級感はいらない場合にする加工です。箔押しでは凹部に箔を付けましたが、凹部のみ加工するのが型押しです。
四つ目に紹介するのは浮き出しです。
型押しと同様に、浮き出しも箔は使用しません。型押しの反対(凸部を作る)が浮き出しです。
デザインができたら印刷を依頼する
デザインができたら印刷を依頼しましょう。ただし、印刷するときにはいくつかの注意点があります。
一つ目は色の見え方が異なる場合があることです。
デザインはPC上で行い、色味を含めた確認もPC上で行います。しかし、PC上で見る色の印象と、実際にパッケージに印刷された色の印象は異なる場合があります。校正刷り(試し刷り)をして実際の仕上がりを確認することが大切です。
二つ目は紙にインクが浸透しづらい場合があることです。
とくに気をつける必要があるのは折り目の山の部分。インクの割れ目(背割れ)が発生しやすいため、校正刷りをしたときにインクが乗っているか確認する必要があります。
池田紙器が実際に作成したオリジナルお菓子箱
ここで弊社が実際に制作したお菓子のオリジナルパッケージを三つ紹介いたします。
天空の道の復興を願ったお菓子
「天空の道」とは阿蘇外輪山にある非常に眺めの良い道で別名「ラピュタの道」とも呼ばれています。バイク(オートバイ)のライダーの間で有名です。
しかし、2016年4月14日に発生した熊本地震により天空の道は大打撃を受けてしまいました。現在でも復興は完了しておらず、通行止めの状態が続いています。
そのような天空の道の復興を願って作られたチーズを使ったお菓子があります。そのお菓子のパッケージを弊社が担当しました。
書籍のようなデザインにして、天空の道が復興するまでのストーリーをパッケージデザインに重ねています。本当にページが開きそうな雰囲気があり、まさに復興に向けたストーリーを彷彿とさせます。
純米大吟醸酒を使用した酒粕クッキー
弊社では純米大吟醸酒を使用した酒粕クッキーのパッケージ制作も行いました。稲穂のシンプルなデザインと紙のやさしい雰囲気からは、芳醇な酒粕クッキーの香りが今にも漂ってきそうです。
また、パッケージの一部を窓抜き加工しているため、中のクッキーが見えるようになっています。環境に配慮してパッケージに紙以外の材質を使用しないこだわりもポイントです。
マカロン型なカラフルなチョコレート
最後に紹介するのはチョコレートのパッケージです。マカロン型のカラフルな5種類のチョコレートにちなみ、パッケージもポップなオレンジに。それだけだですカジュアル感が強くなりますが、ロゴを箔押しすることで適度な高級感も表現しています。
思わずSNSに投稿したくなるパッケージは、パッケージそのものに価値のあるよい例でしょう。
まとめ
この記事ではお菓子のオリジナルパッケージの作り方を解説しました。オリジナルパッケージを作る際には中にいれる商品をもとに箱の仕様を決め、デザインを決めてから実際の印刷・組み立てという工程が必要です。
記念のプレゼントは中身も大切ですが、パッケージ(箱)も大切です。
渡した瞬間に、まずパッケージで喜んでもらえると嬉しいですね。
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