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商品のパッケージに悩んでいませんか?オシャレな印刷が可能な紙器をご紹介

医薬品、お菓子、ケーキ。それらのパッケージ(箱)には紙が使われています。
はがき、DMなど箱でなくても紙が使われていることもあります。
実は私たちは多くの紙製品に囲まれて生活しています。
この記事ではよく使われる箱の種類やパッケージに使われる紙の種類をご紹介します。
商品の発送用の箱を探している、備品の保管用の箱を探しているという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

「紙器(紙パッケージ)」とは?

紙器(紙パッケージ)とは、紙を材料にして作った包装容器のことです。冒頭の例の通り、医薬品やお菓子のパッケージとして使われるのはもちろん、広い意味ではホールケーキの箱なども紙器なのです。

近年ではマイクロプラスチック(5mm以下のプラスチック)が海洋汚染につながるとして、大きな環境問題となっています。これはプラスチックが自然界で分解されないことが原因の一つですが、紙器は分解されるためプラスチック容器の置き換えに最適です。

「木を伐採して作る紙は環境破壊になるのではないか?」と考える方もいると思いますが、古紙や再生紙を使うことで現在市場にある資源を有効に使うこともできるのです。
また、サトウキビや竹など木以外の材料を使った紙もあります。そのため、紙器に注目が集まっているのです。

紙器にはどんな種類があるの?

形状に着目して、紙器を分けると大きく4種類あります。

最もポピュラーな「段ボール箱」

はじめに紹介するのは段ボール箱。段ボールは板紙を重ねて作ることで、板紙どうしをつなぐ中芯(フルート)により衝撃を吸収できる構造となっています。しかし、虫やカビ、湿気など水分に弱いというデメリットもあります。
段ボールはさらに四つの種類にわけられます。

  1.  A式:いわゆる「みかん箱」と呼ばれるタイプ。商品の発送や引越でよく使われます。
  2.  B式:蓋が差込式になっているタイプ。製造時に抜き型(紙を裁断するための型)が必要ですが、A式より早く組み立てられます。
  3.  C式:蓋と箱が別になっているタイプ。果物や瓶に入った飲料(ジュースやビールなど)のギフト用の箱に使われます。
  4.  N式:蓋と箱が一枚になっているタイプ。ポストへ投函可能な手のひらサイズの段ボールから、日本郵便のポスパケット(ゆうパケット)などがこれに該当します。

医薬品やお菓子の箱に使われる「印刷紙器」

次に紹介するのは医薬品やお菓子のパッケージに使われる「印刷紙器」。スーパーマーケットやコンビニエンスストアで目にされる方も多いと思います。
設計の自由度が高く、紙選びや表面加工など思いの通りの仕様にできるのです。形は立方体だけでなく、三角錐や六角錐など珍しい形もあります。
しかし、他の箱と比べて強度が低かったり、抜き型が必要なため初回製造時のみコストが高いというデメリットもあります。

オシャレなギフトに使われる「貼り箱」

次に紹介するのは「貼り箱」。ベースとなる板紙の上に、和紙や布などを貼ることにより、デザイン性と強度を両立した箱です。
高級なお菓子やアクセサリー(ジュエリー)の箱として使われ、商品を出した後も物入れとして使う方もいるほどオシャレなのです。
高級感があり手触りも楽しめますが製造工程が多くコストが高かったり、「箱」の状態にして保管するため、スペース効率が悪いという問題もあります。

ボール紙の四隅を留めた「簡易箱」

次に紹介するのは「簡易箱」。ボール紙の四隅を留めた簡単な構造が特徴です。
四隅を留めるためにホッチキスのような金具を使ったり、ホットメルト(ボール紙を留めるのり)を使ったりします。
また、簡易箱は隅の留め方により二つにわかれます。

  • 角留め箱:U字金具の底の部分を90°折り曲げて箱の角を留めた箱
  • 平留め箱:角になるうち長い一辺をもう片方に重ねた状態で角を留めた箱

加工がシンプルで紙そのものの風合いを楽しめる反面、製造できる工場が少ないのがデメリットです。
とくに角留め箱は、全国でも数か所の工場でしか作れないとのこと。また、針がむき出しのため、小さなお子さまには与えない方が安全です。

・その他変わった形の紙器

上記四種類以外にも変わった形の紙器があります。

  • ピロータイプ:枕のような形をしている箱。アクセサリーなど小さなギフトを入れるのに使われます。
  • ケーキ箱:ホールケーキを入れる箱。持ち運びやすように上面に取手が付いています。

紙器に使われる紙の種類

紙の原料となるパルプの種類

紙の原料となるパルプ。状態や使われる材料によって呼び方が変わります。

漂白の有無による分類

  • 未晒(みさらし)パルプ:未晒パルプとは漂白していないパルプ。
  • 晒(さらし)パルプ  :晒パルプとは漂白したパルプ。漂白の種類によりさらに3種類にわかれます。

漂白の種類によるパルプの分類

  • 機械パルプ:木材をそのままほぐして作るパルプ。
  • 化学パルプ:化学薬品によって漂白したパルプ。
  • 再生パルプ:古紙から繊維を取り出したのち漂白したパルプ。

木以外から作られるパルプ

  • ガバスパルプ:サトウキビの絞りカスから作られたパルプ。  
  • 竹パルプ:竹から作られたパルプ。

紙の種類

上記のパルプを組み合わせることにより、次のような紙を作ります。

一般的に用いられる特板

  • アイボリー:表層、中層、裏層のすべてに晒化学パルプを100%使用した紙。
  • カードA  :表層、裏層は晒化学パルプですが、中層に再生パルプを使用した紙。
  • カードB  :カードAとほぼ同じですが、カードAより古紙配合率の高い紙。

光沢のあるコートアイボリー

晒化学パルプを原料とした高級板紙であるアイボリー紙。それをバージンパルプ(古紙でないパルプ)で抄合(すきあわせ)された紙のことをコートアイボリーといいます。

紙の風合いを活かす紙

  • ファンシーペーパー:表面に浮き出しや型押しで凹凸をつけるなど(エンボス紙)表情のある紙。
  • ファインペーパー :肌さわりがスムーズで温かみのある紙。

 SDGsに貢献する紙 

  • ファインペーパー(サトウキビ使用):ガバスパルプを使用した紙。
  • ファインペーペー(竹使用)    :竹パルプから作った紙。独特の温かみがある。 

いろんな場面で注目される紙器を作るには

紙器は脱プラスチックをすすめるための材料として注目されています。
しかし、脱プラスチックを進めるためには、紙という材料を使うこと以外にも工夫が必要です。

人の感性に訴える

貼り箱やピロータイプなど、特別なシーンで使われる箱には人の感性に訴えかけるものが必要です。
「こぢんまりとしていてかわいい」、「はじめて見るのに懐かしく感じる」、「ユーモアがあって見ていて元気になる」などと思ってもらえれば良いでしょう。
箱を手に取った方のお気に入りになり長く使ってもらえれば、SDGsにもつながるため良いサイクルが生まれます。

低コスト、小スペース、環境にやさしい

一方、食品メーカーなど箱を使って消費者に商品を届ける立場から考えてみましょう。
箱は食品メーカーにとって商品そのものではありません。貼り箱やピロータイプなど特別な箱を除けば、コストが低く保管スペースがいらず、SDGsに貢献するものがいいでしょう。

まとめ

この記事では紙器の種類や使われる紙の種類を解説しました。ぜひ、用途やシーンに合わせた紙器を選んでみてください。
また、紙器は脱プラスチックを推進します。上手に紙器を利用するとSDGsにも貢献することもできますので、ぜひ検討してみてください。